奥殿陣屋(おくとのじんや)は、江戸時代に奥殿藩の拠点だった陣屋の跡。
入館は無料で、古い書院で抹茶をいただいたり、庭園や明徳館を見て回ったりできますよ。
敷地はしっかり舗装されていて歩きやすく、見て回るだけなら20分ほど。
お茶や食事をするなら、もう1時間くらい見ておくと安心です。
歴史好きの人や、季節の花を楽しみたい人にオススメ。
バラは春(GW過ぎ)と秋(10月ごろ)、4月ごろはチューリップ畑も楽しめます(公式サイトより)。
裏山の村積山のハイキングとセットで訪れるのもオススメですよ。
・敷地内をひと回り・・・約20分
・書院で抹茶と生菓子・・・約30分
・金鳳亭で食事・・・約1時間
ピックアップ
書院の縁側から庭を眺めて、抹茶でひと休み
靴を脱いで上がる書院では、蓬莱の庭を眺めながら抹茶と季節の生菓子をいただけます。
抹茶は定番の「初昔(はつむかし)」と、ワンランク上の「翠峰(すいほう)」の2種類。窓際にはすだれがかかり、落ち着いてお茶を楽しめますよ。



大政奉還の文書を書いた、奥殿出身の永井尚志を知る
明徳館には、この地を治めた松平家の家系図や幕末の資料が並びます。
なかでも奥殿出身の永井尚志(なおゆき)は、大政奉還の上奏文を作成した人物。教科書の出来事が、急に身近に感じられますね。



苔と玉砂利の「蓬莱の庭」と、季節の花
書院の裏手には、苔と白い玉砂利が美しい「蓬莱の庭」が広がります。池には鯉が泳ぎ、エサやりもできますよ。
陣屋の西にはバラ園や北欧風庭園、コスモスの花壇もあり、季節ごとに違う景色を楽しめます。



駐車場・トイレ情報
駐車場は西駐車場と東駐車場の2か所で、どちらも無料です。路面はアスファルトでした。
砂利ですが、熊野神社の前にも駐車スペースがあります。
トイレは敷地内に4か所(明徳館・トイレ棟・書院の外・書院の中)と、野菜売り場の横に仮設トイレがあります。便器は洋式・和式の両方です。訪問時はどこも清掃されていましたよ。
※トイレの外観と駐車場は、訪問記録の最後にも記載しています。



参考情報
| 施設名 | 奥殿陣屋 |
|---|---|
| 所在地 | 〒444-2108 愛知県岡崎市奥殿町字雑谷下10番地 |
| アクセス | 車:豊田東ICから国道248号経由で約3km/岡崎ICから県道26号経由で約15kmバス:名鉄東岡崎駅から「奥殿陣屋行き」約30分/JR岡崎駅から約50分(下車すぐ) Googleマップで開く(西駐車場) |
| 駐車場 | 駐車場 合計(全2か所) 普通車 73台+大型バス 2台 38台西駐車場 無料アスファルト+大型バス2台9:00〜17:00(入庫16:45まで)注意 休館日は利用不可 35台東駐車場 無料アスファルト山側27台・平地側8台注意 奥殿陣屋の利用者専用。近くのバス回転スペースは駐車禁止 |
| 営業情報 | 奥殿陣屋 9:30〜16:30入館無料予約不要月曜休(祝日の場合は翌日)・年末年始休・臨時休館あり注意 休館日はトイレ棟が使用可 書院(抹茶・甘味・売店) 9:30〜16:30(オーダーストップ16:00)抹茶と生菓子650円などソフトクリーム350円〜陣屋抹茶パフェ1,100円 金鳳亭(食事処) 11:00〜15:30(オーダーストップ14:30)ざるそば600円栗おこわ 茶そば付1,600円(限定15食) 注意 掲載したメニューは一例です。書院・金鳳亭のメニューや料金は季節によって変わります |
| ホームページ | 岡崎おでかけナビ(奥殿陣屋) |
| 電話 | 0564-45-7230(奥殿陣屋) |
※掲載内容は執筆時点のものです。状況が変わることもあるため、実際に訪れる際は公式情報をご確認ください。
訪問記録/詳細情報
2026/9/20(日)
村積山を歩いたあと、奥殿陣屋に立ち寄りました。
登山の疲れを書院の抹茶で癒やして、幕末の歴史の勉強にもなりましたよ。
山歩きの様子は村積山の記事にまとめています。
館内のパネルによると、江戸時代は「一国一城令」で新しく城を築けなかったため、城を持たない藩は屋敷に塀をめぐらすなどして格好をつけたそう。これを陣屋と呼びます。
明治2年の版籍奉還のころ、大名のおよそ半分が陣屋だったそうですよ。観光する分にはアップダウンが少なくて歩きやすいですね。
奥殿陣屋は、1711年に奥殿藩の陣屋として完成し、150年あまり藩の中心だった場所。
明治以降に建物の多くは移築や取り壊しでなくなり、今の書院は昭和59年に移築復元されたものです。



入口近くの明徳館は、弘化3年(1846年)に10代藩主の松平乗利(のりとし)が設けた藩校の跡です。
藩士やその子どもに漢学や書道を教え、のちに「学問所」と名を改めて、算法や天文学なども教えたそう。
館内には、この地を治めた松平家の家系図や、幕末に関わる解説、当時の望遠鏡や詩文集が並んでいました。
建物自体も時代を感じさせますが、「今では不便な道具が、当時は使われていたんだな」と思うと、遠い時代に思いをはせてしまいますね。



永井尚志(なおゆき)は、1816年に奥殿藩の8代藩主・松平乗伊(のりただ)の二男として生まれた人物です。
パネルの年譜によると、1867年に大政奉還の上奏文(じょうそうぶん)を作成。戦を避けようとした人が、その後の戊辰戦争では函館まで渡って最後まで戦ったそうです。
※上奏文とは、天皇に意見を申し上げるための文書のこと。大政奉還では、徳川慶喜が政権を朝廷に返すと申し出る内容でした。
一人の力では止められない、時代の流れの大きさを感じますね。
教科書で習った出来事に、こんな身近な場所の出身者が関わっていたと知って、ぐっと身近に感じられました。
若者に人気の「お台場」は、もとは幕府の「砲台場」。パネルによると、異国船の江戸湾への侵入を防ぐため、永井たちによって建設されたそうです。
どこかで聞いたことがある気もしますが、すっかり忘れていました。
今は人生100年なんて言いますが、たった二人分の人生くらいの時間しか違わないのに、面影も意識しないですね。なんともしみじみ。



案内所ではパンフレットをたくさん扱っていて、観光の参考になります。
迷うような広さではありませんが、車いすの貸し出しや陣屋印の販売もしていますよ。
御朱印から始まり、今では御城印やダムカード、マンホールカードといろいろありますね。
陣屋はお城の代わりに建てたものなので、陣屋印は御城印の仲間と言えそうです(笑)
案内所の近くにある「庵(いおり)」では、手作り市や体験会などの催しが不定期で開かれています。
この日は小物の催しをやっていて、外からちらっとのぞいただけですが、きらきらしたかわいい小物が並んでいました。
普段こういう小物は買わないようにしているので、入ったら高確率でただの冷やかしに……。気になる方は、入口の催し案内をチェックしてみてください。



野菜の無人販売では、お手頃価格の野菜が並んでいました。
もう夕方だったためか品ぞろえは少なめ。朝に並んで売り切れたのかもしれません。
腐葉土やウッドチップ、肥料も売っていて、近くの農家さんからの持ち込みもあるそうです。
敷地内の畑でも野菜を育てていて、種類はわかりませんが緑の実がなっていました。
北欧風庭園と野菜売り場の間には、キウイの棚があり、実がたくさん。これをもいで売店に並べてくれたら嬉しかったですね。



北欧風庭園には、かわいい小さな家があり、花とともにカラフルな色づかいがきれいでした。
北欧の港町の家は、天気が悪くても船から自分の家が分かるようにカラフルにしている、と聞いたことがあります。そのイメージなんでしょうか?
この日は夏の終わりでバラは咲いていませんでしたが、バラ園もあります。
コスモスなども植えられていて、秋に来たら花を楽しめそうですね。



書院は案内所側から見ると入口しかなさそうに見えますが、左右の建物に沿った道を歩けば、裏手の池にも行けます。
書院の中は見学自由で、ちょっとした展示品もあります。椅子とテーブルで抹茶やパフェをいただけて、売店ではお土産も買えますよ。
入ってすぐのところには、東海オンエアのマンホールがありました。
たしか有名なユーチューバーだった気がしますが、マンホールになるほど、メジャーなところでも活躍しているんですね。
靴を脱いで上がると、歴史を感じる空間が広がります。ふすまや掛け軸にも味がありますね。
写真をたくさん撮りたくなりますが、ゆったりお茶を楽しむ場所でもあるので控えめに。
古い建物はきしんだりするものですが、畳や木の廊下を歩いても、沈むような感じはありませんでした。しっかり補強されているんですね。
ローテーブルには、おそらく貝殻を使った装飾がほどこされていて、きらきら光ってきれい。



この日いただける抹茶は、初昔(はつむかし)と翠峰(すいほう)。せっかくなので高い方の翠峰を選び、季節の生菓子セット(850円)にしました。
この日の生菓子は「すすき」でした。
煎茶は飲みますが、抹茶はあまり飲む機会がないので食レポはごめんなさい。
粉を溶かすので、どろっとした重たい感じは、お寿司屋さんの粉茶を思い出しますね。表面が泡立っていて、泡ごと飲むのが正解なのか迷いましたが、苦みは控えめでまろやか。すすきも上品な甘さで、おいしかったです。
学生のころは山盛りが正義でしたが、小さなお菓子を少しずつ味わうなんて、考えもしませんでした。(笑)
まだまだカルビもパクパク食べられますし、気持ちも若いつもりですが、嗜好の変化を感じますね。



館内のパネルによると、書院は、桑原町の龍渓院で庫裏(お寺の台所や住まい)として使われていた建物を、昭和59年に移築復元したものだそうです。
村積山のハイキングで立ち寄った龍渓院とつながっていたとは、思わぬ発見でしたね(村積山の記事)。



蓬莱の庭は、苔と白い玉砂利がきれいな回遊式の庭です。いろんな木が植えられていて、季節ごとに紅葉や花を楽しめそう。
白い玉砂利はお寺や神社でもよく見かけますが、苔がついて少し黒っぽくなっていることも多いですよね。ここの玉砂利は白さがきれいに保たれていて、見ていて気持ちがよかったです。
池には鯉がいて、エサやりもできます(20円)。書院の前の池には白い鯉、金鳳亭の正面の池には錦鯉もいましたよ。



蓬莱の庭では、小さな淡い紫の花や、杉の葉のような苔、苔の上から顔を出すキノコを見つけました。
調べてみると、花はキツネノマゴ、苔はスギゴケの仲間のようです。キノコは種類までは分かりませんでしたが、足元をよく見ると小さな発見がありますね。



金鳳亭(食事処)へは表からも行けますが、庭からも行けます。
池を渡る細めの道なので、気をつけて渡りましょう。
観光客から餌をもらう機会が少ないのか、書院の前の鯉と違って近づいてもあまり寄ってきませんでしたね。
なんとも優雅に泳いでいました。



奥殿陣屋から西駐車場へ戻る道沿いには、桃色の大きな酔芙蓉(すいふよう)の花がたくさん咲いていました。
色合いはよく見るピンクのサルスベリと似ているかも……と思っていたら、道の向かいにサルスベリの群生を発見。
公園では1本ずつ植えられていることが多いですが、ここは密集していて、特徴のすべすべした樹皮もよく見えませんでした。いろんな木が混じっていそうです。
それでもピンクの鮮やかな花はきれいでした。最近、下草を刈ってくれたようですね。



さらに歩くと、「(オクトノ)ジンヤ」の文字の植え込みと白いドアがありました。
手前のコスモスはまだ咲き始め。咲きそろったころには、観光客がたくさん訪れそうですね。



東駐車場は、道の向かいにある小さいほうにも停められます。
どちらもいっぱいだったら、熊野神社の駐車場も使えるので、こちらに停めましょう。
東駐車場の近くにあるバスの回転場所は駐車禁止なので、気をつけましょう。



トイレは、明徳館、明徳館横のトイレ棟、書院の外、書院の中にあり、野菜売り場の横には仮設トイレもあります。
基本的には洋式と和式が1基ずつで、書院の中は洋式です。トイレ棟には多目的トイレもあります。
どこもきれいに掃除されていて、仮設トイレはプッシュ式の蛇口で水もしっかり出ました。
一番使いやすいのは書院の中のトイレ、屋外なら明徳館のトイレだと思います。休館日は、トイレ棟を使うよう案内がありました。



[2026年9月訪問] [抹茶] [永井尚志]
