サンデーメカニックのFTR223エンジンオイル交換の忘備録です。自分でメンテナンスすると普段から異常に気が付きやすくなり,何より愛車度がぐっと上がりますよ。
整備は道具5割,手順3割です。可能な限り細かく書きますが,実施は自己責任で行います。
必要な工具と交換部品
車種:FTR223(ノーマル) (最後期223-8)
内容:エンジンオイル交換
かかった時間:30分
[24mm]レンチ
基本的に使いやすいものを使用すれば問題ありません。スパナよりもレンチの方が舐めにくいです。ラチェットがあると作業がとても速くなります。☆はトルクレンチで回す必要があるものです。
- 24mmレンチ:ドレンボルト用☆
※少しだけ奥まったところにドレンボルトがあります。よほど頑丈なラチェットでなければ大丈夫ですが、必要なら別途エクステンションがあると便利です。
トルクレンチ
ドレンボルトは強いトルクは不要ですが締めすぎは禁物です。
ドレンボルトの締め付けトルクは15N・mです。
締めすぎた場合に通常はボルト側が壊れる設計になっているはずですが、クランクのネジ山がばかになると非常に面倒なことになります。
※私の手持ちトルクレンチは20N・mが下限なためオーバーしていますが、締めすぎ防止の気持ちで一応使っています。
最近これを買うまでは散々”手ルクレンチ”で締めてきたんですけどね。
オイラー
- オイル分量をきっちり量りたい方は用意してください。
youtubeなどでしっかり量っている方も多いですが、実際オイルがどれだけ抜けているかわかりません。最終的にはゲージで調整しますからね。
しかもFTR223のオイル交換量は規定値が1Lと絶妙で、1L缶を買って使えば量る必要もありません。私の場合は無料でもらえるノズルで十分ですね。
整備のお供(パーツクリーナー・ウエス・ゴム手袋)
整備言えばこれを使わないことはないですね。
- パーツクリーナーは分解した部品の洗浄に使います。
- ウエスは部品の洗浄,傷からの保護に使用します。
- ゴム手袋はオイルを素手で触って肌荒れしないため。使い捨てのゴム手袋が最適です。
オイルボックス
廃棄するエンジンオイルを浸み込ませます。多くの自治体でエンジンオイルは布や紙にしみ込ませれば燃やすごみとして捨てられます(要確認)。以下のどちらかがオススメ。
- オイルボックス(紙製の箱とビニール袋、吸油材がセットになったもの)を買う
- プラ箱にビニール袋を入れて古布を入れる
私は後者ですね。ただスーパーやコンビニの袋は意外と小さかったり破れていたり、エンボス加工が入ったものは染みてきます。
ゴミ袋が比較的厚手でサイズも大きいのでオススメ。エンジンオイル交換は短くても半年に一回程度、その間に着古したシャツや下着を何枚か入れれば十分です。
エンジンオイル
粘度は5W-30。総量1.2L、交換時1Lなので1L缶があれば十分です。




2025年4月からエンジンオイルの刷新が行われました。Ultra(ウルトラ)ブランドはなくなるのは寂しいですがもちろん互換性はあるので新しいものを使いましょう。
Oリング
ドレンボルトに取り付けるOリングです。2年に1回くらいは交換できるといいですね。
- 純正品番(Oリング 35×3):91303-KK3-830


締結トルク[N・m] | 締結部品 |
15 | ドレンボルト |


作業手順
古いエンジンオイルの排出
必要なもの:[24mm]レンチ、オイルボックス
①オイルボックスをドレンボルトの下に置きます
ドレンボルトを外すとオイルが流れてくるので先にオイルボックスを設置します。
(サイドスタンドで)駐輪した状態でそのまま作業できます。


- 流れ出るオイルは確実にフレームに当たります。
ドレンボルトを外した直後は特にオイルが色んなところに流れるので、確実に受けられるように広めのボックスを用意しましょう。 - 最後は地味に風で飛ばされたオイルが地面のシミになってしまうことがあるので、風の少ない午前中や屋内の作業がオススメ。
- 乗車してから一晩後の方がエンジンオイルも下に落ちてきているし、冷えているので良いです。
②ドレンボルトをスパナで緩めます
ドレンボルトをスパナで緩めます。手で周る程度、オイルがしみだしてくる程度で止めます。



- 最後は手で回す方がスパナがオイルで汚れなくてよいと思います。
③ドレンボルトを手で外し、オイルを抜きます
ドレンボルトを手で回して外したら、流れるオイルを確実にオイルパックで受けながらスプリングやフィルタとともに取り除きます。



- ドレンボルトはスプリングでテンションがかかっています。抑えながら回し、ゆっくり外す作業は手の方が楽です。
スパナで外すと、スパナがバイクのステップにぶつかってうまく扱えず、オイルをまき散らすことになりやすいですね。 - バネが伸び切ってテンションがなくなったら一旦オイルと一緒にオイルボックスに放り込んでしまうのが楽です。どちらにしろ洗浄しますから。
部品の洗浄、取り付け
必要なもの:パーツクリーナー、ウエス、[24mm]スパナ、トルクレンチ
④ドレンボルト・スプリング・フィルタを洗浄します
取り外した部品をパーツクリーナーで洗浄します。オイルボックスの中で洗えば周りが汚れません。


- Oリングを交換する場合はここで交換します。
- ついでにエンジン側のドレン周りやフレームについたオイルを拭きとります。
⑤ドレンボルト・スプリング・フィルタを取り付けます
向きを間違えないように組んで規定トルクで締めます(15N・m)。



- 締めすぎた場合に通常はボルト側が壊れる設計になっているはずですが、クランクのネジ山がばかになると非常に面倒なことになります(エンジンの載せ替えなど)。
- この場でオイルボックスの袋を縛っても良いですが、ゲージを拭いたウエスを後で入れるなら蹴とばさない場所に置いておきます。
エンジンオイルの投入
必要なもの:ウエス、エンジンオイル、オイラー
⑥バイクを広く平らな場所に移動
傾斜した場所でオイル量を量ると誤差が大きくなります。なるべく平らな地面で計測しましょう。


- 気になる方は水平器を使って確認しても良いですが、乗車すればリアを中心に沈んでバランスも変わりますし、多少ずれてもすぐ壊れることは少ないです(保証はできませんが)。
- 同じ場所で車体の前後を入れ替えて2回測定し、平均を取るのも一つの手。
⑦エンジンオイル投入
オイルレベルゲージを外してエンジンオイルを入れます。規定量よりも1割くらい少ないところから、ゲージで測りながら継ぎ足し。
オイルレベルがゲージの規定量に達したら、ゲージを締め付けて完了です。



- オイルレベルゲージは測定前にウエスでオイルをふき取ります。
- (私のFTRの場合は)感覚ですが900ml~950mlくらいしか入らず、1L缶が丸々なくなることはないですね。
- 作業上は不要ですが、”エンジンオイルが下りてくる”イメージが湧かない方は1分くらいエンジンを回して再度ゲージで測ってみるとオイルレベルが下がっていることが分かりますよ。
- 新しいエンジンオイルは触ると粘性があって薄く広がります。一方、古いオイルはわずかなザラつきと水っぽさがあり水滴のようにまとまり易いです。
交換時期を決める目安にしてみてはいかがでしょうか。


感想
これまでに20回ほどオイル交換していますが、やはり洗車と合わせてメンテナンスの基本なので欠かさずに実施したいですね。
最近改めて思うのは段々と交換時に排気ガスのニオイが気になるようになってきことです。
燃費は新車の時からほとんど変わっていませんが、トルク感はわずかに減ってきているようにも感じます。
慣れかもしれませんし、ピストンリングが摩耗してブローバイガスが多くなっているのかもしれませんね。
エンジンは究極のすり合わせ部品なので元気に動くうちは開けないほうが良いのですが、生産も終わっているのでガスケットくらいは買っておこうかと思います。
ホンダエンジオイルのウルトラシリーズが無くなっているとは。
エンジンオイル含めて物価高になってきたころに、まだ安かったホームセンターで買いだめしていたので全く気が付きませんでした。
整備の残り2割は手を抜かない忍耐力です。