出かけ先でエンジンが止まったら帰れなくて困りますよね。私も当事者になった時は焦りました。でもFTR223は頑丈なバイクなのでさっきまで走ってたのに・・・という場合はガス欠くらい。
(日常メンテナンスはお忘れなく)
なのでFTR223のエンジンが始動しない原因はキャブレター車ならではの暖気不足や操作ミスにあることが多いです。
FTR223歴10年の私が体験してきたこと、聞いてきたことをベースに原因になりそうなものを一個ずつピックアップしていきます。
すでに困った方、まだ困っていないけど知識として備えたい方に是非一読いただければと思います。
FTR223は2016年に生産を終了したためこれから買う方は少ないかもしれませんが、他のバイクを見る際にも「こんな視点があるんだ」と参考にしていただければ幸いです。
現にトラブルに見舞われている方は安全確保の上、目次を見て一個ずつ試すだけでも心が落ち着きますよ。ダメならロードサービスに依頼しましょう。
本記事は、あくまで筆者個人の体験談としてまとめたものです。
作業や整備を行う際は、ご自身の判断と責任のもとで、安全第一で行ってください。
FTR223のエンジンがかからない時のチェックポイント
1. ガソリンは入っていますか
意外とある燃料切れ。FTR223はタンク容量が7.2Lと小さいため給油タイミングを先延ばしにしたくなりますよね。でも燃費は走行状態で変わるので注意が必要です。
FTR223には燃料メーターがありませんが車体を揺すると「ちゃぷちゃぷ」と音が聞こえます。それでも燃料切れ間近になると音が聞こえづらくなります。
ガス欠のほとんどは走行中に起こりますが、タイミングが良い(?)と朝の暖気中にガス欠になることも。
フルノーマル車の燃費は36km/Lほどですがカスタムや走り方で変わるため自分のバイクの巡行距離を意識してうまく付き合いましょう。
対処法はもちろん給油。車と違いガソリンスタンドまで押して歩く方法が選択肢に入ります。
・ガソリンスタンドまで押して歩く
・仲間に携行缶で買ってきてもらう
・ロードサービスのガス欠対応を依頼する
2. サイドスタンドは上がっていますか
FTR223をはじめ多くのバイクは安全のためにサイドスタンドが出た状態でギアがN以外にあるとエンジンがかかりません(すでにかかっている場合は停止)。
キルスイッチと同じようにスパークプラグから火花が出なくなります。
・クラッチを握っているのにエンジンがかからない
・出発しようとギアを入れるとエンジンが止まる
そんな時はサイドスタンドを疑ってみましょう。対処法はもちろん・・・
・サイドスタンドを上げてからエンジンをかける
郵便配達員の方が使うカブなどサイドスタンドが出たまま走れるものもありますが、走行中に引っかかったら危ないですからね。
3. キルスイッチが入っていませんか
キルスイッチは転倒時などに2次被害を防ぐため、素早くエンジンを止める目的で使用されます。キルスイッチが入っているとスパークプラグから火花が飛ばず、エンジンがかかりません。
普段は触ることがないので
・取り回しの時に触れてしまった
・ハンドル周りの整備・洗車の時に押してしまった
そんな場合に原因として思い浮かびづらいという盲点があります。
・キルスイッチをOFFにする
人によってはエンジンの整備後にオイルをゆっくり循環させるため、キルスイッチを入れてエンジンを始動させずにセルモーターの力で少しクランクを回す方もいますね。
4. バッテリー上りは寒い日とは限りません
バッテリーが上がるとセルモーターが回りません。始動のための吸気・圧縮ができないのでエンジンもかからなくなります。
・きゅ、きゅ、きゅ
・ギュ、ギュ、ギュ
それぞれのバイクでセルモーターが回る音がありますが
・カチッ、カチッ、カチッ
と鳴ったら(セルモーターが回らなかったら)バッテリーが寿命かもしれません。バッテリーが完全に上がると何も反応がなくなります。
・バッテリーをチャージャーで充電する
・バッテリーを(充電済みのものに)交換する
・押掛けする
・ロードサービスのバッテリー上り対応を依頼する
車とは同じ12Vでも出力が異なるためブースターケーブルでつなぐと過電流で壊れることがあります。壊れるだけならマシですが発火の危険があるので控えた方が良いですね。
その場で自力対処をするなら押掛けがおオススメ。押掛けのコツはこちら
私の場合は5月と12月にバッテリー上りを経験しています。寒い日ばかりではないですよ。
5. (寒い日は)暖気はできていますか
これがFTR223、というより古い機構のバイク特有な付き合い方になってきます。
気温が低いと
・ガソリンが気化しにくい(凝縮しやすい)
・エンジンオイルの粘度が高すぎて抵抗が大きい
ためにエンジンがかかりづらくなります。
最近の電子制御されたエンジンでは自動で燃料噴射量を最適化してくれるため、アイドリングによる暖気は不要とされています。
※インジェクション(FI : Fuel Injection)車なんて呼びますね。インジェクションはほとんどが電子制御で動いています。
一方でFTR223のようにキャブレター車のほとんどは手動のチョークを引く必要があります。
基本的にどのエンジンも暖気には回転数を低く抑えながら10分程度走るのが良いのですが、キャブレター車はある程度暖気しないとそもそもの走行ができません。
そのためここでいう暖気は最低限アイドリングが安定するまでのものを指します。
冬場は毎回5分早く玄関を出て暖気する習慣が必要になります。。
・寒い日はアイドリングが安定するまで暖気を行う
以上が私の考えるエンジンが始動しない原因一覧です。
その他故障に絡んで動かないことがあるかもしれませんが、迷ったときはロードサービスを頼んだり整備士に相談しましょう。
キャブレター車の暖気方法
暖気の手順 (チョーク→アクセルへ移行)
- チョークをいっぱいに引いてエンジンを始動させる
- チョークを少しずつ戻しながらアクセルを開ける
- チョークを戻し切りアクセルだけでエンジンを温める
- アクセルを戻してもアイドリングが安定していれば暖気完了
エンジンが完全に冷えている状態でなければチョークを引かずにアクセルを少し開けておくだけでエンジンがかかることもあります。
暖気に関するQ&A
【Q1】アイドリングが安定するまでチョークを開けておくのはダメ?
【A1】チョークの開けっ放しはお勧めしません。チョークを開けると通常よりもガソリンが濃い混合気になるため、チョークの使い過ぎは余分なガソリンがスパークプラグ湿らせ火花が散らない(かぶる)状態に繋がりがちです。
【Q2】冬場は常にアイドリング回転数が低くなりますが対策はある?
【A2】スロットルバルブ近くにある調整スクリュでアイドリング回転数を調整できます。アクセル(グリップ)を放した状態でのスロットルバルブの開度を変更可能。
【Q3】手っ取り早く暖気するのにアクセル全開にしないの?
【A3】駐輪場でエンジン全開にするのは近所迷惑なのでやめましょう。エンジンオイルが温まっていない状態で高負荷をかけるとエンジンの故障にもつながります。
【Q4】ここで書かれている手順以外はバイクに良くない?
【A4】最終的には自分のやりやすい方法で構いません。手軽に使えるツールが「チョーク」・「アクセル」・「スロットルバルブの開度調整スクリュ」の3点あるということだけ覚えていろいろ試してみてください。
【Q5】チョーク・アクセル・スロットルバルブの開度調整スクリュの使い分け方は?
【A5】混合気中に気化したガソリンがいなければ燃焼しないので一定以上に寒い時はチョークが必須です。
次に燃焼はするけどパワーが足りないとき、つまり
[圧縮負荷+吸入抵抗+摺動抵抗]>[燃焼(膨張)エネルギー]の段階では
アクセルを開けることで吸入抵抗が小さくなり、エンジンが温まってくると摺動抵抗も小さくなり、回転数が上がるとトルクが大きくなるので
[圧縮負荷+吸入抵抗+摺動抵抗]=[燃焼(膨張)エネルギー]となりエンジンの回転を維持できます。(という個人的見解)
最後に冬場のチョイノリが多くてアイドリングが安定するまでアクセルを開けておくのが面倒なとき、スロットルバルブの開度を大きめに(回転数を高く)設定しておくと手間が減ります。
FTR223の押掛け方法
FTR223は250サイズながら単気筒なので押しがけはちょっと大変。車体が軽いので勢いよく押してクラッチを繋いだだけでは後輪が滑ってしまいます。
押掛け手順 (バイクを押す→クラッチを繋ぐ)
- ギアを1速に入れる
- クラッチレバーを握って10km/h以上を目指して走る
- ステップorシートに全体重をかけると同時にクラッチレバーを離す
- エンジンがかかり始める音がしたらクラッチを握る
エンジンがかかり始めた時にクラッチレバーを握るタイミングは見切りでやらないと間に合いません。残念ながら慣れです。安全のためブレーキはすぐに掛けられるように備えておきます。
押掛けに関するQ&A
【Q1】バイクに勢いをつけてクラッチを急に繋いだらクラッチを痛めませんか?
【A1】押掛けするとクラッチは多少傷みます。数回押掛けしたくらいで壊れることは少ない(私は聞いたことがない)ので、押掛けするなら心を鬼にしてがっつりクラッチに力をかけましょう。
【Q2】ステップorシートに体重をかけるのにオススメの方法はある?
【A2】平地なら左足で左側のステップに乗るのが比較的やりやすいかと思います。ちょうど良い坂があればシートに座って(通常の乗車姿勢)、車速が出てきたところでクラッチを繋げばエンジンがかかります。
【Q3】バッテリー上りの時に押掛けした後、どのくらいで充電できる?
【A3】バッテリーの再充電には最低30分~1時間は乗車した方が良いでしょう。
バッテリーは一度上げると電極が汚れてしまう(劣化する)こともあるので、短期間に2回上がったらあきらめて交換が良いです。バッテリーの交換は難しい作業ではないですし、ホームセンターなどでバッテリーを買えば古いものは後で持ち込めば引き取ってもらえることが多いですよ。
トラブルの時は落ち着くことが大事
FTR223のエンジンがかからない時の確認ポイントを紹介してきました。
今どきキャブレター車も珍しいので冬場の暖気が慣れない方には戸惑いがあるかもしれませんね。
ただそれ以外は一般的なバイクと同じような注意点ばかり。FTR223以外に乗っている方も参考にしていただければ幸いです。
エンジンがかからないと焦るので、落ち着いて一つ一つ可能性をつぶしていきましょう。
この記事で示した内容以外が原因の場合はおそらく自分で対応するのは難しいのでロードサービスや整備工場に依頼するのが手っ取り早いでしょう。
本記事は、あくまで筆者個人の体験談としてまとめたものです。
作業や整備を行う際は、ご自身の判断と責任のもとで、安全第一で行ってください。
